こんにちは、りんさく(@sakurarin72)です。
最近、うちの猫が怒りっぽくなってきました。
若い頃は、大人しくて穏やかな猫だったのですが、歳を取るごとにイライラする事が、多くなってきた気がします。
「もしかして、更年期障害かも」
と思ったりもして….
人間は50歳前後になると、ホルモンのバランスの変化によって、様々な症状が出ると言います。
この症状が、日常生活に支障をきたす事を「更年期障害」と呼んでいるのですが、猫も人間と同じように更年期障害は起こるのでしょうか?
今回は「猫の更年期」についてのお話です。
更年期とは
更年期と言えば、女性をイメージする方が多いと思いますが、最近では男性の更年期も話題になっています。
女性の更年期は、閉経の前後5年の10年間だそうです。
閉経は人によって違うために、更年期も人によって様々ですが、一般的には45~55歳頃だと言われています。
男性の更年期は女性のように、はっきりとした節目はありませんが、男性ホルモンが減少する30代後半から起こる可能性が高いそうです。
ようするに、男女共にホルモンバランスに変化がある時期を、「更年期」と呼んでいます。
そして、更年期に体へ様々な異常が起こることを、「更年期障害」と言っているのです。
では、猫もホルモンバランスが崩れると、更年期を迎えるのでしょうか?
猫の更年期
人間は、一般的に45~55歳を更年期と呼んでいます。
更年期は、ホルモンのバランスに変化が起こるために、体調不良になりやすいそうです。
女性の場合は、動悸、めまい、頭痛、体のほてりなど
男性の場合は、うつ、疲労、動悸、集中力低下、体のほてりなど
これらの症状を、更年期障害と呼んでいるのですが、猫にも同じように更年期障害があるのでしょうか?
答えは、
「猫には更年期という概念はありません」
そのため、「猫は更年期障害にならない」と考えられています。
猫は、男女性ホルモンのバランスを崩す事が、ほとんどないからだそうです。
しかし、猫は他のホルモンバランスが崩れて、更年期障害に似た症状を引き起こすことがあります。
「甲状腺機能亢進症(こうじょうせんこうしんしょう)」という病気です。
甲状腺機能亢進症とは
猫の更年期障害と言われる「甲状腺機能亢進症」は、1979年に見つかったのが、始まりとされています。
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンが異常に多く分泌されて、様々な臓器へ支障をきたす病気です。
甲状腺は、甲状軟骨(のどぼとけ)のすぐ下にあり、気管を挟んで両脇にくっついている小さな臓器です。
その甲状腺から分泌されるホルモンを「甲状腺ホルモン」と呼んでいます。
甲状腺ホルモンは、全身の代謝を活発にしたり、体温調整、心拍数、血圧を正常に保つ働きをしているため、健康を維持するうえで欠かせないホルモンです。
正常な時の甲状腺ホルモンは、血液中で一定を保つように調整をされていますが、何らかの原因で甲状腺に異常が起きると、ホルモンを過剰に分泌してしまう事があります。
そうすると、身体の細胞が活発になり、様々な臓器に負担をかけて体調不良を引き起こしてしまうです。
7歳~8歳頃に発症をするケースが多いそうで、7歳以上の猫の約10%は、「甲状腺機能亢進症」を患っていると言われています。
原因
甲状腺機能亢進症となる原因は、甲状腺の過形成(細胞が一定の数より増える、大きくなる事)、腫瘍、甲状腺ガンなどが原因だと言われています。
ホルモンが過剰に分泌される原因のほとんどが、過形成か腫瘍ですが、約1~2%は甲状腺ガン(悪性の腫瘍)が原因だそうです。
過形成になる原因は、
- 遺伝性
- キャットフードの成分
- 化学物質
などが原因ではないかと言われていますが、明確には解明されてはいません。
・遺伝性
シャム猫やバーニーズは、甲状腺機能亢進症の発生率が低い事から、遺伝子に関係があるのではないかと考えられています。
・キャットフードの成分
キャットフードに含まれるヨウ素、イソフラボン、ビスフェノールAなどが原因ではないかと言われています。
・化学物質
ポリ臭素化ジフェニテルエーテル(PBDEs)、臭素系難燃剤、PFAS(ポリフルオロアルキル化合物)などが原因ではないかと言われています。
症状
甲状腺機能亢進症になると、ホルモンが過剰に分泌されるために、活発で食欲旺盛になります。
そのために、甲状腺機能亢進症になっていても、気づかない飼い主さんが多いそうです。
いつもより攻撃的になったり、落ち着きがなくなったり、よく食べるのに瘦せていくなどの症状がみられると、甲状腺機能亢進症の可能性があります。
他にも、
- 水をよく飲む
- おしっこの量と回数が増える
- 体温が高い、熱っぽい
- 嘔吐
- 下痢
- 脱毛
- 毛づやが悪くなる
- 呼吸が速い
- 大きな声で鳴く、夜鳴きをする
- 目が大きく開いている
気づきにくいですが、猫なりに飼い主さんへメッセージを送っています。
見落とさないようにしてあげて下さいね。
注意点
高齢猫の多くは、腎臓病を患っていると言われています。
腎臓病になると、腎臓への血液の流れが悪くなるのですが、甲状腺機能亢進症になっていると、血圧が高くなくなるために、血液の流れが通常ぐらいになるそうです。
そのため、腎臓病の症状が抑えられるそうですが、甲状腺機能亢進症を治療すると、腎臓病が以前よりも悪化する可能性が高いと考えられています。
獣医師さんとよく相談をして、治療にあたって下さい。
予防
今のところ、これといった予防や対策はないと言われています。
しかし、定期的に血液検査をすることで、早期発見につながるそうです。
愛猫の健康診断を、定期的に行ってあげて下さいね。
さいごに
人間は更年期障害、猫では甲状腺機能亢進症。
どちらも、ホルモンバランスの変化が原因で起こる病気てす。
人間の更年期と言われる45~55歳は、猫でいうと7~10歳ぐらいです。
猫も人間と同じように、歳を重ねるにつれて、体の機能に様々な支障が出てきます。
僕たちは、言葉で「◯◯が痛い」、「気持ちが悪い」などと言って、誰かに助けを求める事ができます。
しかし、猫は言葉が通じないために、とっさに体調不良を伝える事ができません。
そのうえ猫は、他人に負い目を見せたくないために、痛みや辛さを隠そうとする生き物です。
ただ、信頼する飼い主さんには、何らかのメッセージを送っています。
愛猫からの、ささいなメッセージに気づいてあげられるのは、飼い主さんだけです。
いつもと違う仕草や行動をしていたら、気にしてあげて下さいね。
おしまい
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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