こんにちは、りんさく(@sakurarin72)です。
前回は、メス猫の避妊手術の事をお話させてもらいましたが、今回はオス猫の去勢手術のお話をしたいと思います。
飼い主さんなら、可愛い愛猫の体に麻酔を打って、メスを入れたくないと誰もが思うはずです。
特にオス猫は、子供ができるわけではないので、必要ないのでは?という飼い主さんもいらしゃると思います。
避妊手術、去勢手術の目的は「子供ができないようにすること」かもしれませんが、猫に手術を受けさせる理由は、それだけではないのです。
去勢手術のメリットとデメリットのお話をしたいと思います。
オス猫に去勢手術は必要?
子供を産まないオス猫に、リスクがある麻酔を打って去勢手術をする必要があるのでしょうか。
猫は1回の出産で、3~5匹程の子猫を産みます。
猫の発情期は1年に2~3回あり、妊娠期間は約2か月程です。
何が言いたいかと言いますと
1度の出産で5匹×1年に2回の出産=1年で10匹
その子猫たちが発情期を迎えて、また子猫を産む
こうなると、里親さんを探すだけでも大変になってきます。
無責任な飼い主さんになると、保健所に持ち込んだり、外に捨てたりするという話を、聞いたことがあります。
そんな不幸な猫を作らない為にも、オス猫の去勢手術は必要なのではないでしょうか。
それ以外にも、ストレスの軽減、病気の予防と、得られるものはいくつもあります。
オス猫は生後6~7ヵ月程で性が成熟し始めます。
個体差はありますが、生後6ヵ月ぐらいに去勢手術を行うのがベストだと言われています。
歳をとるほど、手術へのリスクは高まるので、去勢手術を考えているのであれば、若いうちにしてあげましょう。
「メス猫の避妊手術のメリットとデメリット」の事を書いてます。興味がありましたら読んでみて下さい。
手術をするメリットとデメリット
先ほども言いましたが、麻酔を打って体にメスを入れるのですから、それなりのリスクは伴います。
メリットばかりではなく、デメリットもあるのです。
手術を受けるメリット
- 病気の予防
- ストレスの軽減
- 問題行動の防止
メリットは大きく分けてこの3つです。
病気の予防
「前立腺腫瘍」「精巣腫瘍」などが、去勢手術をすると防ぐことができるのです。
・前立腺腫瘍
前立腺とは、膀胱の真下にあるオス猫が持つ生殖器です。
そこに細菌(大腸菌、ブドウ球菌など)が感染してしまうと、前立腺が炎症を起こして、前立腺炎という強い痛みを伴う病気になってしまうのです。
前立腺炎の症状が長引くと、前立腺腫瘍(前立腺がん)になる可能性があります。
去勢手術をすると、男性ホルモン(テストステロン)の分泌が抑制されるために、前立腺炎が起こらなくなると言われています。
猫は、前立腺の発達が悪いので、前立腺炎にはかかりにくいと言われていますが、絶対にかからないという事はありません。
放置しておくと前立腺腫瘍(前立腺がん)にもなりかねませんので、注意をして下さい。
・精巣腫瘍
精巣が腫瘍化して肥大する病気です。
9歳以上の老犬に多く見られる病気で、猫がかかるのは稀だと言われています。
しかし、この病気もかかる確率は低いかもしれませんが、絶対にかからないという事はありません。
いわゆる「ガン」の一種なので、できることなら防いであげましょう。
去勢手術をしていれば、かかる事はない病気です。
「猫は去勢手術をしても病気の予防にはならない」と言われているので、あまり気にしなくてもいいとは思いますが「去勢手術をすると、こういう病気は防げるよ」という事だけは、覚えておいてあげましょう。
ストレスの軽減
猫は生後6ヵ月ぐらいから、性的に成熟し始めると言われています。
オス猫は、メス猫のように決まった発情期はありません。
発情期のメス猫に刺激されて、大きな声で鳴いたり、立ったままの姿勢でおしっこをまき散らかすスプレー行為(マーキング)をするのです。
しかし、家の中で生活しているオス猫は、メス猫と出会うことがありません。
この「叶わぬ恋」的な状況が、オス猫にとっては強いストレスを感じてしまうのです。
その状況が耐えられずに、脱走をするケースも多々あるそうです。
脱走をしても無事に戻ってきたら問題はないのですが、そのまま居なくなったり、交通事故に合う事も考えられます。
去勢手術をしたら「絶対に脱走はしないのか」と言われるとそんなことはありませんが、脱走をする状況や愛猫が抱くストレスは減らせれると思います。
問題行動の防止
去勢手術をすると、怒りにくくなったり、攻撃的な性質が緩和されたりします。
そのために、他の猫とケンカをする事が少なくなるのです。
ケンカが少なくなるという事は「猫エイズ」などの感染症にかかるリスクも、減るということなのです。
それとオス猫が発情すると、夜中に大きな声で鳴いたり、スプレー行為をするようになります。
これは男性ホルモンがこういう行動をさせているのです。
男性ホルモンは精巣から分泌されるので、去勢手術で精巣を取ってしまうと、スプレー行為や夜中に鳴く行動がなくなるのです。
しかし一度発情期を経験してしまうと、これらの行動が出てしまう猫もいるそうです。
去勢手術をするなら、発情期を覚える前にする方が望ましいかと思います。
手術を受けるデメリット
- 全身麻酔のリスク
- 肥満になりやすい
この2つがデメリットとなるのですが、1番は麻酔の心配かと思います。
全身麻酔のリスク
去勢手術にかかる時間は、およそ10~20分ぐらいです。
獣医さんが言うには「避妊去勢手術ほどリスクの少ない手術はない」そうです。
しかし、大量に出血することはない手術とは言え、それなりのリスクはついてきます。
最近は「麻酔薬の性能がいい」「手術の技術に優れているから大丈夫」と言いますが、小さな猫の体にはそれなりに負担がかかります。
その負担は、高齢になればなるほど大きくなるので、高齢な猫ほどリスクも大きくなります。
手術前の検査は、しっかりとしてもらい、納得がいくまで獣医さんと話し合って下さい。
手術中に、何が起こるかわからないですからね。
肥満になりやすい
去勢手術で精巣を取ると、男性ホルモンが変化する事で、肥満になりやすくなります。
それは手術をすると、運動量が減り代謝も悪くなるからです。
去勢手術をすると肥満になる確率は、しない時の約2倍と言われています。
去勢手術をした後は、ごはんの与え過ぎには注意が必要です。
さいごに
可愛い愛猫の体にメスを入れる事は、飼い主さんにとっては辛い事だと思います。
猫は交尾をすると、高確率で妊娠をします。
その生まれてきた命が、全て幸せになれるでしょうか。
「多重飼育の崩壊」などと言って、いくつかの子猫、成猫、老猫の命が亡くなっている事を、ネットニュースなどでよく目にします。
その挙句に、増えすぎたから捨てられるという事も現実に起こっています。
避妊、去勢手術をする事には、賛否両論あると思います。
手術をする時は、獣医さんやご家族とよく相談をして、自分自身が納得をしてから、手術をしてあげて下さい。
おしまい
ストレス解消、運動不足には体を動かすのが一番!楽しく遊ばせてあげましょうね。
宇宙船の形をした可愛い猫のベッド。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント