こんにちは、りんさく(@sakurarin72)です。
やっと冬が終わりそうですね。
春になると、季節性アレルギー性鼻炎いわゆる花粉症に、悩まされる方も多いのではないでしょうか。
先日、何年かぶりに友達が家へ遊びにきました。
家へ入ると、くしゃみを連発していたので「花粉症?」と訪ねると、首を横に振って一言、
ねこ!
「えー、 お前んちも猫いるやん」
今年から花粉症になった、と言う人は聞いたことはありますが、猫アレルギーも突然なるのでしょうか?
今回のお話は「猫アレルギーについて」です。
アレルギーとは
アレルギーとは、体の免疫機能が過剰に反応をしてしまう状態です。
人間の体は、外部からウイルス、細菌、寄生虫などが体内へ侵入をしようとすると、それを排除するために、白血球を始めとする「免疫機能」が働きます。
しかし、環境や生活の変化によって免疫機能に異常が発生すると、体内に侵入をしてくるウイルスや細菌などに、過剰な反応を起こしてしまうのです。
それによって、くしゃみや発疹、呼吸困難などの症状を引き起こす事を「アレルギー」と呼んでいます。
現在の日本では、2人に1人は何かしらのアレルギーを持っていると言われています。
世界でも人口の約30~40%の人は、何かしらのアレルギー疾患を持っているそうです。
ある研究で、「アレルギーの原因は?」という調査が行われました。
結果は、
- 花粉:約70%
- ハウスダスト:約35%
- ダニ:約15%
- ペット:約10%
- 食物:約2%(乳児に限定すると約10%)
こう見ると、ペットからのアレルギーは少ないように見えますが、犬や猫アレルギーは年々増加傾向にあると言われています。
猫アレルギーとは
「猫アレルギーは5人に1人は持っている」と言われるほど、有名なアレルギーです。
猫好きには、迷惑なアレルギーですね。
しかし、一体猫の何がアレルギーを引き起こしてしまうのでしょうか?
原因
猫アレルギーの原因は、唾液、皮脂腺、フン、尿、体毛、フケなどに含まれる、アレルゲン物質が原因だと言われています。
現在、アレルゲン物質は「Fel D1(フェル ディ ワン)」から「Fel D8(フェル ディ エイト)」までの8種類が、確認をされているそうです。
その中でも、「Fel D1(フェル ディ ワン)」と呼ばれる糖タンパク質と、唾液に含まれる「Fel D4(フェル ディ フォ-)」が、アレルギーを引き起こす主な原因だと考えられています。
Fel D1(フェル ディ ワン)は、猫の皮脂腺、肛門腺、唾液腺などから分泌されるアレルゲンで、猫アレルギー患者の約90%は、このアレルゲンが原因だそうです。
Fel D4(フェル ディ フォ-)は、唾液を促すための顎下腺(がくかせん:あごの下にある腺)から分泌されるため、毛づくろいをした時に毛やフケなどに付着をします。
そのため、猫が動くとFel D4(フェル ディ フォ-)が空気中に飛び散り、アレルギーの原因となるのです。
猫アレルギー患者の約60%は、このアレルゲンが原因だと言われています。
猫アレルギーのアレルゲン物質は、花粉の10分の1程度しかない、とても小さな物質です。
もちろん、肉眼で見えるものではありません。
ある調査で、猫を飼っていないご自宅を調べたところ、アレルゲン物質「Fel D1」が見つかった、という事例もあるぐらい、飛び散りやすいアレルゲンです。
症状
軽い風邪のような症状だと言われていますが、その人におかれた環境や状況、体質などによって変わってきます。
軽度の場合は、
- 鼻水
- 咳
- くしゃみ
- 目の充血、かゆみ
- 皮膚の発疹
など、風邪の症状から発熱だけを取った感じです。
これが重度になると、
- 下痢
- 嘔吐、吐き気
- 呼吸困難
- めまい
- 心拍数の異常
- 喘息
など、命に関わる事もあるため、十分な注意が必要です。
猫アレルギーの対策
1番の対策は、アレルゲン物質を近づけない事です。
しかし、大切な家族である猫を手放したり遠ざける事など、できるはずがありません。
そのため、薬で症状を緩和させている方も少なくはないようですが、今現在の医療では、猫アレルギーを完治させる薬はないと言われています。
抗ヒスタミン薬、ステロイド剤、点鼻薬、気管支拡張薬などで、症状を緩和するしか対処療法はないそうです。
要は、薬に頼りつつアレルゲン物質を減らす生活環境にすれば、愛猫を手放したり、遠ざける必要などないのかもしれません。
では、どうすればアレルゲンを減らせるのでしょうか?
こまめに掃除をする
猫のアレルゲン「Fel D1」は、とても小さくて軽いため、普通の掃除機で吸っても排気口から漏れる可能性があるそうです。
ある研究で、カーペットの上にアレルゲンをまき散らして「普通の掃除機」と、水で洗って汚れを吸い取る「水洗い掃除機」とで、除去率の違いを比べました。
その結果、
- 吸引式の普通の掃除機:2.1~16.8%
- 水洗い掃除機:48.2%
- キャスター型の水洗い掃除機:79.5%
だったそうです。
しかし、水洗い掃除機で掃除をする方が良いとわかっていても、値段的にも安い掃除機ではありません。
要は、水拭きをしてから掃除機をかけると良いという事なのです。
普通の掃除機で掃除をする時は、まず拭き掃除でアレルゲンを拭き取ってから、掃除機をかけるようにして下さい。
猫のアレルゲンは軽いため、至る所に付着をします。
そのため、壁、天井、カーテン、ソファーなどの拭き掃除も、忘れないようにしましょうね。
こまめにブラッシングをする
猫の抜け毛を減らすだけで、アレルゲン「Fel D1」は減少をするそうです。
アレルゲンの多くは、古くなった皮脂が原因だと言われています。
その古くなった皮脂が、空気中を漂う前に取り除いてしまおうという事です。
人間のように、お風呂へ入って皮脂を取り除くという方法もありますが、ほとんどの猫は濡れることを嫌がります。
それに、猫アレルギーの主犯「Fel D1」は、お風呂で身体を綺麗に洗っても、48時間で元の数値に戻ると言われています。
そのため、週に2~3回のペースでお風呂へ入れないと、アレルゲンは減少しないそうです。
つまり、無理にお風呂へ入れてストレスを与えるよりも、こまめにブラッシングをする方が効果的なのです。
もし、ブラッシングも嫌がるようであれば、濡れたタオルで体を拭いてあげるだけでも、効果はあります。
ブラッシングは、2日に1回のペースでしてあげて下さい。
ブラッシング時は、マスクをしてアレルゲンが付着しやすいウール、ナイロン製の服装は控えましょうね。
空気清浄機の設置
アレルゲン物質の「Fel D1」は粒子が小さいため、掃除機同様に通常の空気清浄機では、拾い集めることが難しいと言われています。
ただ、JIS規格の「HEPAフィルター」を使用している空気清浄機や掃除機なら、「Fel D1」を吸い込むことが可能だそうです。
HEPAフィルターとは、「定格風量で粒径が0.3μmに粒子に対して、99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」と規定されています。
つまり、「Fel D1」を捕集してくれるという事です。
他にも、シャープが開発した「プラズマクラスター」は、空気中の「Fel D1」を約70~80%程、減少させると言われています。
空気中のアレルゲン物質を取り除く事が、アレルギー対策に繋がるのです。
キャットフードを見直す
ペットフードメーカーの「ネスレ」は、特殊な免疫抗体を含んだ卵の黄身を原料とした、キャットフード「ピュリナ プロプラン リプクリア」を開発しました。
このキャットフードは、猫アレルギーの主犯「Fel D1」を、減らす効果があると注目をされています。
キャットフードを与え始めてから3週間で、被毛などに付着している「Fel D1」が、平均47%減少をしたそうです。
試してみる価値はありそうですね。
去勢手術をする
ある研究で、アレルゲン「Fel D1」は、メス猫よりもオス猫の方が、多く含んでいる事がわかりました。
理由は解明されていませんが、おそらく猫の男性ホルモンが、関係しているのではないかと考えられています。
つまり、オス猫に去勢手術をして男性ホルモンを減らせば、アレルゲンも減少するという事です。
去勢手術には、アレルゲンを減らす以外にも、たくさんのメリットがあります。
検討してみるのも、一つの方法ではないでしょうか。
アレルゲンが少ない猫
「ハイポアレジェニックキャット」と呼ばれている猫をご存知でしょうか?
ハイポアレジェニックキャットとは、アレルゲンの生産量が少ない、あるいはアレルゲンが付着した抜け毛が少ない低アレルゲン猫の事です。
では、どんな猫種がハイポアレジェニックキャットと呼ばれているのでしょうか。
- サイベリアン
- バリニーズ
- ロシアンブルー
- ベンガル
- ジャパニーズ
- オシキャット
- コーニッシュレックス
- デボンレックス
- ラバーマ
ハイポアレジェニックキャットだからといって、猫アレルギーにならないというわけではありません。
さいごに
「猫は飼いたいけど、猫アレルギーが….」という方は多いはずです。
要は、自分が持つアレルギーの限界を超えなければ、猫が飼えるのではないでしょうか。
アレルゲンを拡散させないように工夫をしたり、薬を飲んで症状を抑えたりする事で、大好きな猫と暮らすことは可能なのかもしれません。
毎年、何万匹の猫が殺処分をされています。
そのうちの10%は、飼い主からの持ち込みだそうです。
理由は様々なようですが、「飼ってみたら猫アレルギーだった」という理由の方も多いと聞きます。
一度は家族として迎えた猫を、保健所へ連れて行くなんて、僕には考えられません。
こんな不幸な猫を作らないためにも、猫を飼う前はアレルギー検査などをして、万全な状態で迎えてあげて下さい。
飼い主の努力で、猫アレルギーは軽減できます。
身体に負担がかからない程度に、猫を可愛がってあげて下さい。
いつか、家族になれる日が来るといいですね。
おしまい
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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