こんにちは! りんさく(@sakurarin72)です。
「ふぅー。今日も疲れた」と、玄関のドアを開けると、愛猫がお迎えに来てくれてました。
「ただいま~」と声を掛けるが、走り去っていく…。
「ちぇっ」と思いながら、ふと壁に目をやると、なぜかボロボロになっている。
「えっ。なにこれ?」
勘のいい方なら、おわかりいただけたかと思います。
そうです!
ヤツは、お迎えではなかったのです。
壁で爪をといでいた時に、たまたま僕が帰ってきただけだったのです。
一瞬でも、「お出迎えに来てくれたんやぁ。いい子」と思った僕がバカでした💧
猫を飼っている方なら、同じような経験をされた事が、多いのではないでしょうか。
カーペットでガリガリ、壁をボリボリ、ソファーを・・・
「なにすんねん!」と思いながらも、なぜかその姿を可愛く思えるのは、僕だけじゃないはずです。
という事で、今回は「猫の爪とぎ」のお話です。
猫の爪
猫の爪は、玉ねぎのような多重構造になっています。
内側ほど新しい爪で、外側へいくほど古い爪になっているのが特徴です。
普段は、指の中にしまわれている爪ですが、敵に襲いかかる時、滑りやすい所を歩く時、木に登る時など、必要に応じて自在に出し入れをする事ができます。
猫の爪は「深指屈筋腱(しんしくっきんけん)」と、呼ばれる腱で繋がれていて、その腱を緩めたり引っ張ったりする事で、爪の出し入れをしているのです。
爪の形状は「鉤爪(かぎづめ)」と呼ばれるアーチ形をしていて、縦方向に強いのが特徴です。
爪は、自然界を生きる猫にとって、必要不可欠な1つと考えられています。
そんな大切な爪だからこそ、お手入れは必要です。
そのお手入れが、「爪とぎ」なのです。
しかし、獲物を捕らえるため、自分の身を守るためだけに、爪とぎをしているわけではありません。
猫が爪とぎをする理由
爪とぎは、猫の代表的な行動の一つです。
カーペットや壁をガリガリとされて、困っている飼い主さんも多いと思います。
猫が爪とぎをする行動は、本能的にしているために、止めようがない事だそうです。
意味のない行動はしない猫が、本能的にしている爪とぎには、どんな気持ちが込められているのでしょうか?
爪のお手入れ
猫は、人間社会に溶け込むようになってから、人間に生活のリズムを、合わせるようになったと言われています。
人間からご飯をもらい、人間と共に寝る。
昼間は、家の中という安全な場所で、ゴロゴロと好きなことをする。
「猫って本当に狩猟動物なの?」と思っちゃいますよね。
しかし、猫が人間と生活をするようになってからでも、唯一失われていない本能が、「狩猟本能」だそうです。
猫にとって爪は、獲物を仕留めるため、身を守るためなど、生きていく上では欠かせない、必要不可欠なものだと考えられています。
家の中で生活をしていると、狩りをする必要も、天敵から襲われる心配もありませんが、それでも猫は常に自分の武器を磨いているのです。
最初にも言いましたが、猫の爪は内側から新しい爪が、どんどん生えてきます。
古い爪より新しい爪の方が、鋭く尖っているために、爪とぎをして外側の古い爪を剝がして、新しい爪に変えているのです。
ちなみに、爪とぎをするのは前足だけで、後ろ足は歯で嚙んで爪のケアをするのだとか。
「こんな古い武器(爪)では仕留められないニャー。新しい鋭い武器(爪)に変えるニャー。シャキーン!」
という感じで、爪とぎをしているのでしょう。
たぶん(笑)
ストレス発散
嫌な事があったり、ビックリした時に、気持ちを落ち着かせようと、爪とぎをする事があります。
これを「転移行動」といい、今やっている事と違う事をして、気持ちを落ち着かせる行動です。
何かをしようとして失敗をした、飼い主さんに怒られた時など、ストレスを感じた時に猫は、爪とぎをして気持ちを落ち着かせるのだと考えられています。
他にも、爪をといで自分の匂いをつけて、自分の匂いでストレスを発散している、という意見もあるようです。
「あーもう、イライラする💢
よし!気分転換だ。バリバリ・・・
ふう~スッキリした」
こんな気持ちなのでしょう。
匂いをつけている
猫の肉球には、独特の匂いを出す「アポクリン腺」呼ばれる箇所があります。
そこから出る匂いをつけることによって、「ここは僕の縄張りだ!」とアピールをしているのです。
また、爪で何かにキズ(ソファー、壁、タンスなど)をつけている時も、「これは自分のものだ」と周りにアピールをするために、キズをつけると言われています。
そのキズや匂いをつける位置が高いほど、強さをアピールしているそうです。
「僕は大きくて力強いから、こんなに高い所へ爪痕が残せるのだぞ!」
といった感じで、他の猫にアピールをしているのだとか。
爪切りと爪とぎの違い
外で暮らす猫は、木へ登ったり、獲物を捕まえたり、コンクリートやアスファルトの上を歩く事で、爪はある程度の長さに保たれると言われています。
しかし、完全室内飼いの猫には、狩りをしたり、木へ登る機会などがないため、爪が伸びすぎてしまうのです。
「猫は爪とぎをするから、爪切りをしなくても大丈夫!」
とよく言いますが、
爪とぎは古い爪を剥がすためにする行動。
爪切りは鋭く尖った爪を切る行動。
爪とぎをしていても、爪切りは必要なのです。
猫の鋭く尖った爪では、家の物をキズつけたり、飼い主さんや同居猫、同居ペットなどに、ケガを負わせてしまうかもしれません。
そのために、爪先の鋭く尖った部分を、切ってあげる必要があるのです。
猫の爪が伸びすぎると
家の物や飼い主さんなどをキズつけるだけでなく、自分自身もキズつく可能性があります。
猫は爪が伸びすぎると、巻き爪になって肉球をキズつけたり、割れたり、折れたり、剝がれる事もあるそうです。
その中でも、爪が何かに引っかかってケガをする事が、一番多いと言われています。
愛猫の爪の伸びすぎには、注意してあげましょうね。
猫に引っかかれると
人間が、猫の鋭い爪に引っかかれると「猫ひっかき病」や「パスツレラ症」などの、感染症になる事があります。
「猫ひっかき病」
猫に引っかかれた所から菌が入り、赤く腫れたり、発熱、関節痛、吐き気、倦怠感などを引き起こす病気です。
「パスツレラ症」
パスツレラ菌による感染症で、発熱、喉の痛みなど、風邪に似た症状がでます。
重症になると、肺炎などを引き起こす事もあるようです。
こういう事にならないためにも、定期的な爪切りは必要ですね。
猫の爪切り
ほとんどの猫が、爪切りは嫌いだそうです。
猫が、爪切りを嫌う理由の一つとして、「爪に圧力がかかるからだ」という意見があります。
人間用の大きな爪切りは、猫用の爪切りよりも圧力がかかりにくいそうです。
もし、愛猫が爪切りを嫌がるのであれば、人間用の爪切りで切ってあげるのも、1つの方法ではないでしょうか。
その場合は、爪切りを縦に持って切ってあげると、上からの圧力がかかりにくいので、嫌がらないかもしれません。
一度、試してみて下さい。
さいごに
猫は、爪とぎをしていても爪切りは必要です。
もちろん爪とぎも、猫にとっては大切な仕事です。
ちなみに、猫が1番好きな爪とぎは「麻ロープ」、2番目が「カーペット」、3番目が「ダンボール」だと言われています。
しかし最近では、海外で猫の抜爪手術が、数多く行われています。
日本では、あまり知られていませんが、そのうち日本にも普及してくるかもしれません。
猫の爪を抜く事で、「キズをつけられない」と喜ぶのは人間だけで、猫にしてみれば大変迷惑な話だと思います。
爪が伸びてきたら、切ってあげればいいだけの話です。
爪を切ってあげるのも、愛猫とのスキンシップになって、楽しいと思うのですが・・・。
爪は、猫にとって大切な身体の一部です。
爪とぎには、猫の「健康と心のバランスを保つ」という、大切な役目があります。
愛猫にあった爪とぎを、見つけてあげて下さい。
それと、爪切りもお忘れなくね。
おしまい
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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