こんにちは、りんさく(@sakurarin72)です。
野良猫を保護したけど、家族に飼う事を反対されたら、あなたならどうしますか?
今回は、3人の女性が1匹の野良猫を、幸せに導いたというお話です。
空を飛んで幸せを手に入れた傷だらけの猫
3月の半ば頃に女性の前へ、頭の皮が剝がれた野良猫が現れたのが事の発端です。
女性が住んでいる地域は、たまに野良猫が遊びに来るそうで、彼女も野良猫たちにご飯をあげるなどして、可愛がっていました。
ある日のこと、頭の皮が剝がれて傷を負った見慣れない野良猫が、助けを求めるかのように彼女の前に現れたそうです。
心優しい彼女が、そんな姿をした野良猫をほっておけるはずもなく、動物病院から捕獲器を借りて、保護することにしたのです。
後先考えずに行動するのが、彼女のいいとこでもあり、悪いところでもあるのだ。
その時はまさか、家族に飼う事を反対されるとは、思いもしなかったのだろう。
猫は、彼女に身を委ねるかのように、捕獲器を設置して数分で入ったそうです。
「すぐにでも、動物病院へ連れて行きたい」
けど、仕事に行かなければならない彼女は、近所の人にお願いをして、動物病院に連れて行ってもらうことにしました。
彼女は、仕事が終わり一目散に病院へ向かいました。
結果は、猫同士のケンカで頭の皮が剝がれたとの事でした。
耳の後ろから皮がめくれて、傷口が化膿して大変な事になっていたそうです。
手術は、剝がれた皮を切って傷口を治療するという、そんなに大変な手術ではなかったようですが、色々と検査をしていくと、大変な病気にかかっている事がわかったのです。
ダブルキャリア
検査結果は、猫エイズ、白血病陽性。
せっかく傷口を治して、これからの猫生はケンカもなく、のんびりと過ごさせてあげようと考えていたはずが、あまりの結果に彼女は愕然としました。
とりあえず家に帰って、今後の事を家族で話し合いました。
「これ以上ペットを増やすな。ケガが治ったら、もう一度外に返したらいい」
と言われたそうです。
「飼う事は出来ない」
「外に返すことはイヤだ」
「どうしたらいい」
「保護をした私が悪い?」
・・・・・
たくさんの想いが彼女の中を駆け巡りました。
自己嫌悪に陥ったこともあっただろう。
色々な気持ちが入り混じった彼女は、この時に何年分かの涙を流した。
しかし、泣いていても始まらない。
そう思った彼女は「退院後、どうすればこの猫が幸せになるか」を必死で考えました。
彼女はTwitterで知り合った、近くに住む女性に相談をしたり、動物病院に相談したり、保護団体に聞いてみたりしたが、いまいち納得がいく返事を得られませんでした。
それでも「家族に迷惑はかけられない」と思い、来る日も来る日も1人で懸命に考えた。
だけど、いつになっても答えは出ない。
気持ち的にも体力的にも、相当な労力を費やしただろう。
しかしそんな彼女にも、唯一息が抜ける場所があった。
それは、仲良しさんとのラインだ。
彼女は、Twitterで知り合った信頼できる女性2人と、グループラインをしていました。
3人に面識はない。まして声を聞いたこともない。繋がっているのは心の繋がりだけ。
しかし、気持ちが同じ方向を向いている者同士ほど、心が安心できて休まるものはない。
いつも彼女は、グループラインで2人の女性から、癒しと活力をもらえると言っていました。
そのグループラインで、あまり弱音を吐かなかった彼女が、女性2人に猫の事を相談したのです。
相談を受けた女性2人も、自分の事のように必死で考えました。
この時、彼女たちはこの猫に
「りんた」
と名付けました。
仕事が終わって、グループラインに集まり、毎晩3人で色々と考えたが、これと言っていい案が出ません。
そんなある日「潰れそうな彼女を見てられない」と言って、手を差し伸べたのが、グループラインをしているうちの1人だった。
「うちで引き取るよ」
と言ってくれたのです。
彼女は戸惑った。
なんせ猫は、ダブルキャリアを背負った猫。
大切な友達にダブルキャリアの猫を託して、迷惑がかからないだろうか?
「引き取る」と言ってくれた彼女の家は、家猫が27匹いる大家族。ほかの猫に病気が移ったらどうしよう。
彼女は、嬉しい反面すごく悩んだ。
しかし、優しい友達の説得により、託すことを決意しました。
彼女は友達に、これ以上ないというぐらいに、感謝をしました。
ただ、託すには問題が1つあった。
それは、距離だ。
猫がいる彼女の家は神奈川県。
友達の女性の家は高知県。
距離にして約750km
「猫をストレスなく大移動をさせるには、どうするべきか」3人の女性は考えた。
車?
飛行機?
船?
獣医師さんの話によると、乗り物に猫を乗せる時点で、与えるストレスはどれも同じだそうです。
「それじゃあ、一番早く着いて、乗っている時間も短い飛行機にしよう」
ということになりました。
彼女は、どうしても外せない用事で、当日はお見送りには行けなかったそうですが、近くに住む信頼できる女性にお願いをして、お見送りをしていただいたそうです。
彼女は自分の想いを綴った手紙とお守りを、りんたと一緒に高知の空へ飛ばしました。
羽田空港:4月4日11時20分発
高知龍馬空港:4月4日12時50分着
飛行時にりんたが怖がらないようにと、彼女は花柄のシーツでキャリーを包んであげました。
彼女の代わりにりんたを守った花柄のシーツは、新しい家でもりんたを守るように、ケージを包んでいるそうです。
さいごに
このように、野良猫が家猫になるのは、ほんの一握りです。
野良猫を見て「汚い」「向こうへ行け」といって猫を嫌う方も、たくさんいるはずです。
嫌いなら嫌いでいいと思います。
ただ、嫌いだからと言って殺してしまったり、殺処分の対象となる保健所に持っていくのは、違う気がします。
懸命に生きている限り、人間も猫も命の価値は、同じではないでしょうか。
法律上、猫は物として扱われていますが、小さな命に寄り添ってあげれるのは、人間だけです。
この女性のように、野良猫を保護して病院に連れて行き、大切に扱ってほしいとは言いません。
ただ、今もどこかで救いの手を待っている野良猫がいるかもしれません。
この猫は、たまたま運が良かっただけかもしれませんが、ケガをしたダブルキャリアの猫でも、人間が差し伸べた救いの手で、幸せを掴む事ができるのです。
ほんの少しでいいので、外で生きている猫たちを、温かく見守ってあげて下さい。
この傷ついたダブルキャリアの猫が、なぜ急に女性の前に姿を現したのかは分かりませんが、この人なら「助けてくれる」と思ったのでしょう。
この猫が、あと何年生きられるかは分かりませんが、たくさんの人で繋いだ命です。
高知県の優しい女性の愛情なら、残りの猫生はのんびりと幸せに暮らせるはずだ。
この猫の幸せに携わってくれた3人の女性、動物病院の方々、お見送りをしてくれた方、その他たくさんの方々
ありがとうございました
おしまい
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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