こんにちは! りんさく(@sakurarin72)です。
1月28日(金)14:03に、友達が会社の敷地内で飼っていた猫が亡くなりました。
その会社では、アイドル的存在の猫でした。
会社の社員さんたちは、家族同然のように可愛がっていた猫だったので、悲しみは大きかったと思います。
普段は、居る事が当たり前のように過ごしているので、有難味を感じる事は少ないですが、いざ居なくなると、不安に感じたり、大切さを感じる事が多々ありますね。
それが命あるものならば、不安や悲しみ、寂しさがいつまでも心に残るものです。
「あの時、もっと○○していたら…」と、後悔をする時もあると思います。
後悔先に立たずとはよく言ったもので、友達が後悔をしているかはわかりませんが、彼女の心の中で猫は生き続ける事でしょう。
今回は、友達の会社で愛されていた猫のお話です。
家族の事が大好きだったお父さん猫
3年半前に友達が働いている施設へ、1匹の野良猫が現れました。
年齢はわかりませんが、ある程度の年は取っていたそうです。
猫好きな友達とその施設の職員さん達は、ごはんをあげたり、遊んだりして、その猫を可愛がりました。
それがあってか、施設に度々来るようになり、いつの間にか居着いてしまったのです。
それを見た施設の理事長は、
「年も取っていて演歌顔だから、お前は『三郎』だな」
と言った事がきっかけで、みんなに「さぶちゃん」と呼ばれて、親しまれるようになりました。
さぶちゃんは、可愛がってくれた施設の職員さんたちへ恩返しをするように、たくさんの癒しを与え続けました。
仕事でストレスを抱えている職員の近くへ行っては、ゴロゴロと喉を鳴らしてスリスリしたり、人間関係で気まずくなった時でも、間に入って場を和ませたり、ピリピリしたムードの時は、面白い可愛い仕草で笑わしてくれたそうです。
「もしかすると、
さぶちゃんがこの施設のムードメーカーじゃないの?
ある意味リーダーかも?」
というぐらい、みんなの面倒をよく見てくれていたそうです。
しかし、全ての人が猫好きとは限りません。
嫌いな人だっています。
友達の施設にも、嫌いな人はいました。
ある人は「殺処分だ!」と言ったり、また違う人は「餌を与えるな!」と怒っていたそうです。
ですが、さぶちゃん人気は衰え知らず!
他の部署からもさぶちゃんを守ろうと、応援をしてくれるようになったのです。
その甲斐があって、さぶちゃんは施設内の人気者となり、元気にのびのびと暮らせるようになりました。
ある日、そんな人間が大好きなさぶちゃんにも、好きな猫ができたのです。
さぶちゃんは、メス猫に猛アプローチをしました。
そしてついに、射止めたのです。
メス猫の名前は「さっちゃん」と言います。
さっちゃんも、施設によく遊びに来ていた地域の野良猫で、さぶちゃんが施設に来るようになってから、さっちゃんも来るようになったそうです。
さっちゃんは、さぶちゃんと違って警戒心が強かったため、友達や職員さんになかなか懐きませんでした。
でも、2人はいつも仲良く施設で遊んでいたのです。
そんな仲良しな2人に、待望の赤ちゃんができました。
友達と職員さんは、生まれてきた子猫に「くー」と「ゆき」と名付けて、子育てを見守りました。
オス猫は子育てをしないと言いますが、さぶちゃんはそんなことはなく、すごく子育てに参加をしていたそうです。
少しでも子猫たちに変なことをすると、すぐにさっちゃんが飛んできて叱られたり、遊びがつまらないと子猫に猫パンチをされていました。
それでもさぶちゃんは一言も怒らず、さっちゃんと子猫のそばをひと時も離れませんでした。
友達いわく、
「田舎だから色々な動物が普通にいるんだ。
その動物たちから、さっちゃんと子供たちを守っているんだよ」
と言っていました。
気の弱い優しいさぶちゃんは、家族を守るのに必死だったのです。
そのため、ケガをして帰ってくることが少なくはありませんでした。
さぶちゃんは、ケンカに負けるたびに
「またケガをしちゃったよ」
と言わんばかり、友達のところへ甘えに来ていました。
その姿が何とも愛おしく思えて、ケガをするたびに治療をしていたそうです。
さぶちゃんは、友達や職員さんの事をすごく信頼していたのでしょうね。
子猫たちが親離れをすると、さぶちゃんの子(くー、ゆき)を友達が引き取りました。
「さぶちゃんとさっちゃんも一緒に…」
と考えたそうですが、さぶちゃんは施設のアイドル、さっちゃんは警戒心が強くて触ることができなかったため、そのまま施設で飼う事にしました。
さぶちゃんが施設に顔を出すようになって3年半。
動物病院に連れていくたびに「おじいちゃん猫」と言われて、獣医さんからも可愛がられていました。
そんな誰からも愛されていたさぶちゃんも、病気には勝つことが出来ませんでした。
ケンカにも、あまり勝つことがなかったそうですが・・
もともと心臓が弱かった様で、人間でいう「心筋梗塞」にかかってしまったのです。
最後に告げた小さなニャーン
1月26日(水)
いつもなら
「ごはんちょうだ~い」
と、起きてくるさぶちゃんが、8時半になっても自分のベッドから出てきません。
友達と職員さんたちは
「おかしいね。どうしたんだろう?」
と心配はしていましたが、仕事があるので少し様子を見る事にしました。
友達は仕事に切りがつくたびに、さぶちゃんの様子を見に行っていたのですが、一向に起きる気配がありません。
午後になって、ある職員さんが様子を見に行った所、息づかいがいつもより荒いことに気づいたのです。
先に仕事が終わっていた職員さんは、急いで動物病院へ連れて行きました。
すぐに診断が始まり、注射を4本打ってもらいましたが、油断を許さない状況は変わりません。
それを聞いた友達は、家でさぶちゃんを看病することにしました。
家に着くと、足腰が立たなく寝たきりになってしまったのです。
彼女の家には、さぶちゃんの子ども「くー」と「ゆき」がいます。
さぶちゃんのそんな姿を見た娘のくーは、介抱するかのようにさぶちゃんへ寄り添いました。
ゆきは子供ができ、子猫の世話で忙しかったため、心配そうにちょくちょく様子を見に来ていたそうです。
1月28日(金)
彼女の懸命な看病も虚しく、14時03分にさぶちゃんは空へと旅立ちました。
仕事の休憩時間を利用して、さぶちゃんの様子を見に来ていた友達に、さぶちゃんは最後の力を振りしぼって小さな声で
「ニャーン」
と言いました。
最後までさぶちゃんに寄り添っていた、ゆきの子供(さぶちゃんの孫)梅は、さぶちゃんのその小さな鳴き声を聞いた途端に、さぶちゃんから離れたのです。
さぶちゃんは、友達と2人の時間を数秒だけ過ごしたのちに、ゆっくりと目を閉じました。
さぶちゃん
孫娘の梅は、さぶちゃんの最後の声から何を聞いたのか、さぶちゃんは誰に何を伝えたのかは謎ですが、彼女が戻ってくる事を待っていたに間違いありません。
彼女は、
「子どもや孫には会えたけど、大好きなさっちゃんに会わせてあげられなかった。
それを怒ってのニャーンかな(笑)」
と言っていました。
優しいさぶちゃんが、最後にそんな事を言うはずもない。
小さい声の「ニャーン」には、感謝の気持ちや友達との色々な思い出が詰まった、一言だったのでしょう。
彼女は思い出に、さぶちゃんのヒゲが入ったハーバリウムボールペンを作り、職員さんたちに送りました。
職員さんたちはボールペンを握りしめて、涙を流していたそうです。
野良猫だったさぶちゃんが、こんなにたくさんの人に愛されたのには、素敵な魅力があったからなのでしょう。
これも同じ人が保護をした猫のお話です。
読んでみて下さいね。
さいごに
野良猫を見ると「汚い」「ウザイ」「醜い」などと言って、邪魔者扱いする方もたくさんいます。
たしかに、外で生活をしているのだから汚いのは当たり前でしょう。
しかし、猫が人間に与える影響力は、素晴らしいパワーがあります。
猫の経済効果、癒し効果などは、論理的に判明されているのです。
猫は少しの優しさで、魅力的な猫に変身をします。
野良猫を見ても毛嫌いせずに、ほんの少しだけの優しさで見守ってあげて下さい。
最後に彼女は、さぶちゃんにこう言って別れを告げた。
“さぶちゃん”
もしまた野良猫で生まれてきても、必ず私が見つけるよ
ありがとう
またね
おしまい
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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