こんにちは! りんさく(@sakurarin72)です。
先日、本を読んでいると
「猫に木天蓼、お女郎に小判」
(ねこにまたたび、おじょろうにこばん)
という一文が出てきました。
んん?お女郎に小判?
猫にまたたびはよく聞く言葉だが、まさか続きがあったとは・・・
と、本を読みながら1人で感動していました。
ちなみに
「猫に木天蓼、泣く子に乳房」
とも続けるそうです。
単純なので、知らない事がわかると、すぐに感動してしまいます(笑)
「猫にまたたび」
聞いたことのある言葉ですよね。
ことわざにもありますが「非常に好きなもの」「それを与えれば効果が著しい」などのたとえとして、よく使われています。
漢字で書くと「木天蓼(もくてんりょう)」、英語で書くと「silvervine(シルバーバイン)」。
猫にまたたびを与えたことがありますか?
うちの猫たちは、またたびを与えると、ゴロンゴロン、くねくねといった感じで、気持ちよさそうにしています。
しかし猫が喜ぶからと言って、与え過ぎると危険なことになる可能性があります。
今回は、猫が大好きなまたたびのお話です。
またたびとは
またたびは「木天蓼:もくてんりょう」と呼ばれていて、別名「夏梅」とも言われる、マタタビ科マタタビ属のつる植物です。
日本では北海道から九州、アジアでは千島列島や朝鮮半島でよく見られ、湿気のある山地に自生しています。
またたびの実には、どんぐりのようなツルツルとした楕円形の実と、デコボコとした不格好な実の2種類があり、猫が好む方は、デコボコした不格好な方です。
このデコボコした実の事を「虫えい果」と言い、ハエやマタタビアブラムシが、またたびの花に産卵することで、デコボコの実になります。
「虫えい果」は、人間の漢方薬にも使われている素晴らしい実なのです。
またたびの言葉の由来は
「マタタムブ」というアイヌ語からきている、という説が最も有力です。
アイヌ語で、「マタ」は冬、「タムブ」は亀の甲の意味で、果実を表した呼び名だと言われています。
また一説には
「長い旅で疲れた旅人に、またたびの実を食べさせると元気になり、また旅(たび)ができる」といったことで、またたびと言われるようになったという説もあるようです。
猫がまたたびを大好きな理由
猫は、またたびに含まれる「マタタビラクトン」「アクチニジン」「β-フェニルエチルアルコール」の3つの成分で反応をすると言われています。
猫には、口蓋(口腔と鼻腔の境をする組織)の奥にヤコブソン器と呼ばれるものがあります。
ヤコブソン器官は、フェロモンを感知する嗅覚器官で、鋤鼻器官(じょびきかん)とも言われています。
ちなみに人間は、退化しているそうです。
ヤコブソン器官に「マタタビラクトン」「アクチニジン」などの成分が通ることで、中枢神経が刺激され一時的にマヒ状態になります。
そのマヒ状態がゴロンゴロンと転げまわったり、くねくねと体をくねらせたりさせているのです。
またたびへの反応には個体差があるようで、全然興味を示さない猫もいるようです。
またたびの効果が一番強く出るのは「粉末」、次に「液体」、その次に「実」→「枝」→「葉っぱ」の順だと言われています。
またたびと同様の効果を持つ植物に「キャットニップ」「アカバナヒョウタンボク」「セイヨウカノコソウ」あります。
しかし、猫が最も反応を示すのは、またたびなのです。
またたびの効果
「猫にとってまたたびは、お酒みたいなものだ」とよく言われます。
まさにその通りで、猫がまたたびを摂取すると陶酔したように、ゴロンゴロンとしたり、体をくねくね、スリスリとして、気持ちよさそうにしています。(猫によって個体差はあります)
これらは一時的なもので、依存性がないのがまたたびの良い所です。
愛猫の滅多に見れない可愛い姿が見れるのも、またたびの良い所かもしれませんね。
では、またたびが猫にどのような効果があるのか見ていきましょう。
蚊よけ
2021年1月に「またたびには蚊よけ効果がある」と岩手大学、名古屋大学、京都大学の研究チームが発表しました。
内容は、
猫がまたたびを摂取した時にする行動(スリスリ、ゴロンゴロン、くねくね)は、またたびに含まれる「ネペタラクトール」という成分に原因がある
と発表しました。
今まで猫は「マタタビラクトン」「アクチニジン」などに反応をすると言われていましたが、実験の結果で「ネペタラクトール」という成分にも反応をすることがわかりました。
またたびに含まれる量も「マタタビラクトン」の10倍以上だそうです。
研究チームは「ネペタラクトール」には、防蚊作用があることも発見しました。
この「ネペタラクトール」を使って猫と蚊を実験したところ、猫は寄ってきて蚊は逃げ出したそうです。
その時の猫の反応は、体をスリスリして自身に「ネペタラクトール」を付着させていたという結果が出ました。
この行動は「ネペタラクトール」を体に付着させることで、蚊や害虫から自身の体を守っている行動だそうです。
長年自然界で生き抜いてきた猫が、身につけた知恵なのでしょうね。
運動不足の解消
「うちの猫、最近寝てばかりで運動不足なのよね」
「最近、肥満気味になってきた」
などの理由で、運動をさせようと思っている飼い主さんも多いはずです。
しかし、そこは気まぐれな猫さん。
こちらが遊ぶ気満々でも、自分の気分が乗らないと見向きもしません。
そんな時に、オモチャへまたたびを振りかけてあげると、興奮して遊んでくれることがあります。
愛猫のお気に入りのオモチャにまたたびを振りかけて、運動量を向上させてあげるのも一つの方法です。
ストレス解消
猫は体を動かすことで、ストレスを軽減できると言われています。
またたび効果は一時的なものですが、猫を興奮状態にしてくれるので、体を動かすのには最適かもしれません。
愛猫とのオモチャ遊びは、信頼関係を築く大切なコミュニケーションです。
猫は、大好きな飼い主さんと一緒に遊ぶだけで、ストレス解消ができます。
脳の老化防止
「嚙む」という行為は、老化防止に繋がると言われています。
猫の歯は、ものを嚙むというより嚙み切るという形状になっているので、嚙まずに吞み込んでしまうことがほとんどです。
そのため嚙む機会があまりないので、柔らかいもの(クッション、ぬいぐるみ、タオルなど)にまたたびを振りかけて、思い切り嚙ませてあげて下さい。
そうすることによって、脳が活性化されて老化防止に繋がります。
水分補給、食欲促進
「ご飯を食べない」「水を飲まない」という時に、ご飯や飲み水に少し混ぜると、食欲が促進する場合があります。
食べる事の大好きな猫が、ご飯を食べないということは、何らかの理由があると思います。
病気で体調不良になっている可能性もあるので「おかしいなぁ」と思ったら、動物病院に連れて行ってあげて下さい。
猫に水は絶対的な存在です。興味がありましたら読んでみて下さい。
与え方と注意点
猫が喜ぶからと言って与え方を間違うと、逆効果で体に負担をかけてしまうことになります。
またたびは猫によって反応が異なります。
愛猫に合った量を、与えてあげましょう。
与え方
またたびの与え方には、直接食べさせる方法と匂いを嗅がせる方法があります。
直接食べさせる方法は、刺激は強いが持続性がない。
匂いを嗅がせる方法は、刺激は弱いが持続性がある。
どちらがいいかは、愛猫に応じて変えてあげればいいかと思います。
与える量は成猫で耳かき1杯分、約0.5g程度が適量だと言われています。
頻度は1週間に1~2回程度。
幼少期の猫は体が未発達なために、パニック状態となる恐れがあるので、与えないようにしましょう。
老猫や内臓に病気を持っている猫にまたたびを与えると、体に負担をかけてしまう恐れがあるので、与えない方が無難かと思います。
注意点
何度も言いますが、またたびは中枢神経に刺激を与えてマヒをさせるものです。
与え過ぎると、過度なマヒ状態で異常を起こす危険性があります。
ひどい時には、呼吸困難を起こして命を落とす危険性もあるので、与える時は十分に注意して下さい。
またたびの強度は
- 粉末
- 液体
- 実
- 枝
- 葉
の順です。
ものによって効き目も適量も違います。
愛猫に合った適量で与えてあげましょう。
特に効果が強い粉末のものを与える時には、与え過ぎないように十分に注意して下さい。
さいごに
人間もストレス発散で体を動かしたり、お酒を飲む事がありますが、猫も同じでストレスが溜まります。
特に猫は繊細なために、ストレスを溜めやすい生き物です。
またたびで、愛猫のストレスの軽減ができて、一緒に遊んで信頼関係をより一層強くできるのなら、こんないいものはありません。
ですが、愛猫が喜ぶからと言って与え過ぎは危険です。
たまにご褒美程度で与えるぐらいが、ちょうどいいのかもしれません。
またたびをうまく利用して、愛猫との楽しい時間を過ごしましょうね。
おしまい
Amazonでベストセラー1位のまたたび入りのオモチャです。
粉末状のまたたびです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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